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秋田グリーンサービスのよもやま話~バイオマス・ペレット・熱利用:“燃やす”の経済学 ~

みなさんこんにちは!

有限会社秋田グリーンサービス、更新担当の中西です!

 

林業にとって“燃やす”は最終手段ではありません。熱は売れる価値であり、低質材や端材の“出口”を持つことは、路網密度の投資回収や間伐の連鎖にも直結します。本回は燃料の調達→製造→輸送→燃焼→需要家までを一気通貫で設計し、kWhあたりコストで意思決定する実務を整理します。

 

1) 熱の市場を見直す:電気ではなく“用途”で考える 🏭🏫♨️
• 低温熱(〜80℃):温水暖房、給湯、温浴施設、農業ハウス。定常負荷が大きく、ボイラ効率が高い。
• 中温熱(〜150℃):食品乾燥、木材乾燥(KD補助熱)、工場工程熱。日内変動を蓄熱槽で平準化。
• 高温熱(〜300℃):産業用は限定的。地域では熱+少量発電(CHP)のハイブリッドを検討。

 

2) 燃料オプション:チップ/ペレット/丸太端材/剪定枝 🌲🧺
• チップ:含水率の管理が勝負。W=30%前後を目標に屋根付き貯留・送風。
• ペレット:発熱量安定・保管性◎・輸送効率◎、ただし製造CAPEXと運転費が課題。
• 端材・バーク:選別と異物除去の工程が鍵。炉の目詰まりと灰分上昇に注意。
• 混焼:品目別の灰融点・塩素・カリの差に注意。ボイラ側の許容を確認。

 

3) 需要側設計:ボイラ選定とシステム全体効率 🔧
• ボイラ容量:基底負荷×1.2を目安に、ピークは補助熱源(LPG/灯油/電気)で賄う方が総合効率が良い。
• 送熱:2管式温水配管、ΔT設計、ポンプのインバータ制御、断熱厚をケチらない。
• 蓄熱:日内変動が大きい施設はバッファタンクで稼働率を上げ、起動停止のロスを削減。
• 排熱利用:エコノマイザで回収し、戻り温度を上げて総合効率を底上げ。

 

4) 原価と価格:kWhあたりで比較する 🧮
• 原価式:[燃料原価(円/kWh)=(調達+運搬+加工+保管+灰処理)÷ 正味発熱量×ボイラ効率]
• 比較:A重油・LPG・電力単価と同じ土俵で比較。CO₂価格・補助・税制まで入れて意思決定。
• 料金メニュー:需要家へは熱供給契約(サブスク)やESCOで初期費用を抑え、長期の安定収入に転換。

 

5) サプライチェーン:調達の“雨の日”を想定 🚛🌧️
• 在庫:屋根下で30〜60日相当の安全在庫を持つ。含水率センサーでロット管理。
• 輸送:ダンプ/フレコン/バルクの比較。フォークリフト導線とトラックの頭抜きを設計。
• 品質:含水・粒度・異物率の受入検査を明文化。写真台帳。

 

6) 灰とメンテ:最後まで“価値化” 🧹
• 灰処理:含有成分分析で土壌改良材化の可能性を検討(規制順守)。
• メンテ:スートブロワ、灰出し、熱交換器清掃を定期点検表で運用。停止時間は需要のオフピークに合わせる。

 

7) 事業モデル:地域で勝つ設計 🏘️
• アンカーテナント(温浴施設・病院・学校)に最低負荷を契約で確保。
• サテライト熱需要:配管敷設が難しい場合はペレット+個別ボイラを提案し、燃料販売+保守で稼ぐ。
• 補助・金融:設備補助・リース・グリーンローンを組み合わせ、初期投資ゼロ案も用意。

 

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現場で今日からできる3つ ✅
1) 既存・見込み需要家の熱負荷カーブ(月/日内)を1枚にまとめる。
2) 燃料の含水率管理(簡易水分計+ロット台帳)を開始。
3) kWh比較表(A重油/LPG/電力/チップ/ペレット)を作って営業資料に。

 

次回の宿題 📝
• 需要家候補3社に聞き取り票を持参(負荷・既存燃料・スペース・契約年数・予算感)。

 


林業は、私たち一人ひとりの暮らしや社会、そして未来の地球に寄り添い続けてくれる存在です。

これからも、“森のちから”を信じて、地域と共に、地球と共に歩む林業を応援していきましょう!

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